緊急シンポジウム【郷土の誇り石見銀山を語ろう】

近藤誠一大使が登録秘話を語る。

平成19年9月8日 サンレディ大田にて世界遺産登録緊急シンポジウムが開催されました。
6月28日にイコモスの記載延期勧告から2階級特進した【登録】について、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使の近藤誠一大使が登録秘話を語られました。

登録秘話について

9月8日に出席されたシンポジウムパネリストらの話を総合すると、今年1月よりイコモスより大量の質問事項があり登録は厳しいとの雰囲気が文化庁を始め島根県、大田市に漂っていた。

不安が的中し、5月12日にイコモスより記載延期の衝撃的なニュースが伝わる。
記載延期は登録、登録照会についで3番目となり、世界遺産として今年に登録されることは難しい状況となった。

近藤誠一大使は日本のメンツに賭けても、石見銀山を世界遺産に登録としないと来年の平泉などの世界遺産登録スケジュールに大きな影響を及ぼすことも視野に入れ、積極的な外交活動を繰り広げられた様子を話されました。


近藤誠一大使のパネルディスカッションでの発言内容

審査機関のイコモスについて
イコモスは7,000人もの優秀な学者を抱えており、全ての世界遺産を調査し評価している。
世界遺産登録はイコモスの評価を参考に、21の国から構成される世界遺産委員会で最終決定がされる仕組みとなっている。

イコモスは、基準に忠実に調査がなされ評価を下す集まりである。
イコモスと世界遺産委員との正式な接触は禁止されている。

世界遺産委員会では、冒頭にイコモスが5分間程度の時間で簡単に遺産候補を説明する。
その後、世界遺産委員での審議に入り、審査該当国以外の国の委員で登録について審議を行い世界遺産としての価値を判断する。


石見銀山遺跡の審議には日本は加われないので、第一ラウンドでは日本を除いた20カ国の世界遺産委員にユネスコにおいて一通りアプローチを行った。


中国大陸でのユネスコ会議終了後、5月28日に日帰りでの石見銀山遺跡を自分の目で観察した。
当日は大田市役所の大国 晴雄 教育委員長が案内役をしてくれた。

石見銀山遺跡に着いたときの最初の印象は【なんだ、普通の山じゃないか】と思った。


大国委員長は16世紀から銀製産のために、周辺の樹木を伐採し、跡地には植林を行いながら灰吹き法による大量の銀が製産されたことを聞き、銀鉱山の表面は木に覆われて見えないが、これが石見銀山の大いなる価値だと感じた。




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